〈つくり方〉
〈トロッフィエのつくり方〉
1 セモリナ粉、強力粉、塩をボールに入れ、中心にくぼみを作り、そこへオリーブオイルと水を入れ、指先で混ぜ合わせる。全体をまとめるのではなく、少し粉っぽさが残る状態にする。
2 小さくつまんで、手のひらでこすり合わせ、ねじるように成形していく。
〈トマトソースのつくり方〉
1 トマトはざく切り。にんにくはみじん切りにしておく。
2 フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れて火にかける(火は中火~強火)。プチプチ音がなったら、フライパンを火から外し、にんにくが焦げないように注意。
3 にんにくがキツネ色になってきたら、トマトをあまり動かさずに火を入れる。塩と砂糖で味を調整しながら、バジルをちぎり入れて煮込む。
4 トマトが崩れるまで煮込んだら、たっぷりの塩で茹でたトロッフィエとパルメザンチーズを加えてよく絡めたら完成!
※砂糖の量は、トマトの種類や季節によって調整しましょう。
after talk
ヒキタアズミ
今回のフォーライフキッチンは、イタリアンレストラン「LIFE」のオーナーシェフ、相場正一郎さんにパスタ作りを教わりました! パスタとひと口に言っても、いろんな種類がありますよね?
相場さん
そうですね。ソースはトマト系にオイル系、クリーム系と幅広く、パスタも太さや形状がいろいろあります。でもおいしく作るポイントはどれも似ているので、今日はその秘密を持ち帰ってください。
ヒキタアズミ
そしてなんと今日は、相場さんの著書『30日のパスタ』を読み込み、連日パスタ作りに燃えているターセンも飛び入り参加しました!
ターセン
ひとつのことにハマると熱中するタイプだからね。家で作ってて分からないこと、聞きたいことがいっぱいあるよ! たとえば塩の入れる量なんだけどさ、、
ヒキタアズミ
ちょっとちょっと、まだ準備中なのでいったん落ち着いてください。(笑)相場さん、最初に習うならコレ! というものはありますか?
相場さん
やはりトマトソースのパスタでしょうか、イタリアンパスタの王道と言えると思います。生のトマトを使い、フレッシュな酸味と甘みを感じるソースを作っていきましょう。
ヒキタアズミ
いいですね~! ソースがシンプルなので、今回パスタはスパゲッティではなく相場さんの本にも載っている「トロッフィエ」に挑戦したいのですが、いかがでしょう?
相場さん
トロッフィエはトマトソースがよく絡まる形なので、相性がいいですね。生パスタの中で一番少ない材料と工程で作れて、卵が入っていないのでもちっとした食感がおいしいですよ。
ヒキタアズミ
では、さっそく調理をお願いします! まず水を張った鍋に塩を入れましたが、けっこうな量ですね。
ターセン
はい、ここで聞きたい!塩が水に対して1%と読んだので、家の5ℓ鍋に合わせて50g計って入れたら塩っ辛くて!どうしてだろう?
相場さん
それは鍋のすり切りまで水を入れて5ℓなので、多めに沸かしたとしても実際は3.5ℓくらいなんです。つまり、塩の量もそれだけ減らさないと。ちなみに沸かしている塩水の味見はしていますか?
ターセン
え、味見!? お湯の味見をするの?そんなこと、考えたこともなかったなぁ。
相場さん
塩の量は毎回計って入れるわけではないので、その時の塩分濃度を舌でわかっていれば間違うこともなくなります。これはぜひ家でもやってほしいですね。
ヒキタアズミ
なるほど~! パスタの秘密、いきなりの奥深さを感じています。その間にトロッフィエ作りですが、粉類と水の分量が同じで分かりやすいですね。
相場さん
ここでポイントなのが、水は一気に入れないこと。指先で混ぜ合わせていきますが、全体をまとめるのではなく、粉っぽさが残る状態を保ちます。
ヒキタアズミ
合わさってまとまりができたところから、どんどん成形していくんですね!両手のひらを張って、けっこう強い力でこすり合わせ、ねじるように作りました。
相場さん
冬はとくに乾燥しているので、粉っぽくなってきたら水を足して調整しましょう。成形してから少し寝かせると生地もなじむので、ラップして冷蔵庫に入れておくのもいいですね。
ヒキタアズミ
続いてトマトソース作りですが、ここでもいくつかおいしい秘密が登場しましたね!
相場さん
まずトマトに火を入れるときですが、フライパンに広げたらあまり動かさずにオイルでトマトの表面をよく煮ます。こうすることで、トマトからうま味がどんどん出てくるんです。
ヒキタアズミ
ジュ~っといい音がして、これだけでお腹が鳴ってきます。そして塩と砂糖で味を整えていきますが、砂糖は思った以上の量が入りましたね!
相場さん
イタリア時代には使っていなかったのですが、帰国後に日本のトマト(特に冬)は甘みが足りないと感じて。そこから砂糖をよく使うようになり、今ではLIFEの味にはかかせない調味料となりました。
ヒキタアズミ
たしかに味見をしたとき、トマトの角がとれたまろやかな甘みを感じました。これも家で作るときには欠かせないポイントですね。
相場さん
ソースができたらトロッフィエを茹でますが、生パスタだから早いですよ。浮いてきたら茹であがりの合図になります。お湯をよく切って、ソースと合わせましょう。
ヒキタアズミ
トマトソースとトロッフィエがよ~く絡まって、そこに入るたっぷりのパルメザンチーズがたまりませんね!
相場さん
このメニューはトマトソース自体にとろみがあり、パスタと自然に絡まるのでとくに「乳化」を意識的にしなくていいところも簡単です。
ヒキタアズミ
ほんとにおいしい、自然と笑顔がこぼれるような幸せのパスタですね。トロッフィエ作りも親子で楽しくできそうだし、お家の定番パスタにしたいです!